いったん投資を完了してしまえばなにもする必要がなく、ミドルリスク・ミドルリターンの安定的な不労所得が期待できることで大きな注目を集めている投資法が「ソーシャルレンディング」です。まだまだ日本では新たな投資法だといえるソーシャルレンディングですが、その手軽さから市場規模は急速に拡大。参入を検討している投資家も多いのではないでしょうか?
一方、市場規模の拡大を背景に、ソーシャルレンディング事業者の数も大幅に増加しており、現在では23〜25社程度の事業者が市場に存在するといわれています。投資経験者はもちろんのこと、ソーシャルレンディング初心者にとっては、最適な事業者の選択に頭を悩ませてしまうところでしょう。
そこで本記事では、不動産に特化したソーシャルレンディングを手がけ、投資家からの熱い支持で急速な成長を遂げる事業者「OwnersBook(オーナーズブック)」を取り上げ、実際の評判はどうなのか?口コミも含めて紹介していきます。
Contents
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディング(Social Lending)とは、インターネットを介して「資金を集めたい人・企業(ボロワー)」と「自己資金を投資したい人・会社(レンダー)」を結びつけ、双方を仲介する融資・貸付仲介サービスです。
融資を受けたボロワーは、金利を支払いながら計画した事業を進め、運用期間終了時に元本償還します。一方、資金を融資したレンダーは、金利分の分配を得ながら運用期間終了後の元本償還を待つことになります。ボロワーの破綻などによるデフォルト(貸し倒れ)リスクはゼロではないものの、株式などのように投資した元本の変動がないのが特徴です。
一連の流れにおけるソーシャルレンディング事業者の役割は、ボロワーを集めてローンファンドを形成・小口分割し、それに出資してくれるレンダーを募集することです。もちろん、ボロワーへの貸出金利設定、資金回収や、レンダーへの利益分配、元本償還などもソーシャルレンディング事業者の役割です。
一般投資家が市場に参画するのに仲介会社の存在は欠かせませんが、ローンファンドを事業者が形成するソーシャルレンディングでは、どの事業者を選択するかが成否のカギを握っているといってもいいでしょう。
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OwnersBook(オーナーズブック)とは?
「OwnersBook(オーナーズブック)」は、不動産投資、仲介、運用・管理など総合的な不動産事業を手がけるロードスターキャピタル株式会社が運営する、ソーシャルレンディング事業者です。運営会社の成り立ちからもわかるように、不動産投資に特化したソーシャルレンディングを展開しており、ほとんどすべての案件で不動産担保が設定されているため、比較的安心して投資できるのが特徴です。
12〜24か月の運用期間で年率4〜6%程度の利回りを得られる案件が中心、四半期ごとの利益分配が実施され、1万円から投資可能など、幅広い投資家がレンダーとして参画できる柔軟性とハードルの低さも備えています。
2014年に業務を開始して以降、同社が急成長を遂げている要因には、ボロワー情報が開示できないという制限のなか、不動産という明確な担保を持っていること、総合不動産事業を展開する同社ならではの担保見極めの的確さが評価されたからだといえるでしょう。
OwnersBook(オーナーズブック)ならではの評判
比較的リスクが少ないとはいえ、ソーシャルレンディングが融資である限りデフォルトの可能性をゼロにはできません。オーナーズブックに限らず、どんなソーシャルレンディング事業者でもそれは同様です。こうしたリスクを限りなくゼロに近づけるためにも、ソーシャルレンディングでは事業者の選定が重要になるのです。
その判断材料として、インターネットを含めた各種メディアに掲載されたレンダーの評判は重要です。以下からは、オーナーズブックがどのような評判を得ているのかを具体的に紹介してみましょう。ソーシャルレンディングに対する全般的な評判を排除することで、オーナーズブックの特徴がより明確になります。
運営会社が上場企業である信頼感
公開するローンファンドを不動産に特化し、そのほとんどで担保設定しているのがオーナーズブックの安心感につながっていることは解説しました。その安心感は、運営会社であるロードスターキャピタルが、プロフェッショナルとして総合不動産業を展開していることもあるでしょう。
そのロードスターキャピタルが、2017年にマザーズ上場を果たしたことにより、安心感は信頼感にまで高まったともいえます。新興企業やベンチャーの事業者が多い日本のソーシャルレンディング業界で、運営会社がいち早く上場を果たしたことは多くの投資家から高い評価を得ています。
資本金を含めた財務状況が公開されているのも、投資家が正確に判断するうえで重要な要素だといえます。
デフォルト(貸し倒れ)実績ゼロ
オーナーズブックが急成長を遂げる要因のひとつに、過去にデフォルトとなったローンファンドが1件もないという実績が挙げられます。つまり、オーナーズブックがレンダーである投資家の期待を裏切ったことは、現在のところ1度もないということになります。オーナーズブックが投資家から高い評判を得ているのも当然でしょう。
これは、オーナーズブックが投資家であるレンダーの利益を第一義に考えている結果であり、リスクを充分吟味したうえでローンファンドを形成しているからだといえます。この考え方は、オーナーズブックのあらゆる面で反映されています。
SNS機能・スマートフォンアプリを用意
投資家第一の考え方が反映されているのが、オーナーズブックならではの「SNS機能」です。これは登録会員のみが参加できるSNSであり、レンダー同士がお互いの投資状況を相談し合うなどが可能です。オーナーズブック代表である岩野氏も参加しているため、サービスへの要望などを伝えるのも可能です。
本業を持つ投資家の利便性も考慮し、スマートフォンアプリをリリースしているのも大きな特徴です。ローンファンドの検索や閲覧、入金にいたるまで、すべてアプリで操作できるのはレンダーにとって大きな魅力です。
ローンファンドのリスクを可視化
貸金業であるソーシャルレンディングでは、ボロワー情報を開示できないため、ローンファンドのリスクを判断するのは簡単ではありません。しかし、オーナーズブックではレンダーが投資判断を行いやすいように「物件のロケーション」「稼働率」「スポンサーによるボロワーの評価」の3点を個別に評価し、リスクの可視化に努めています。
不動産投資に詳しくないレンダーでも安心して投資できる工夫がされており、投資家から高い評判を得ています。
メザニンローンとエクイティ
ソーシャルレンディングで形成されるローンファンドは、メザニンローンであるケースがほとんどであり、オーナーズブックでもそれは同様です。
ボロワーは必要な資金をすべてソーシャルレンディングで調達するとは限りません。特に不動産投資では金利の低い銀行からの融資、いわゆるシニアローンを第一に考えるケースがほとんどです。しかし、シニアローンで満額の融資が得られなかった場合、不足する資金をソーシャルレンディングで調達するのです。これがメザニンローンです。
メザニンとは「中二階」という意味があり、メザニンローンに投資した場合、債権者としての権利はシニアローンの次点になります。つまり、万一のことがあった場合、担保を処分して債権回収する権利はシニアローンが優先されます。ソーシャルレンディングがミドルリスク・ミドルリターンといわれるのはこのためです。
オーナーズブックがほかにない特徴を持つのは、メザニンローン以外にエクイティ型ソーシャルレンディングを開始したことだといえるでしょう。
投資した資金から利益を得るのはメザニンローンと同様ですが、メザニンローンが融資であるのに対し、エクイティ型が「出資」であるのが大きく異なります。つまり、エクイティ型では株式などのように元本が変動するため、元本償還を前提に運営されるわけではありません。担保による保証の対象にもならないためハイリスクではありますが、利益が出た場合のハイリターンも期待できます。
リスクを可視化させたうえで、経験豊富な投資家にハイリターンの選択肢を用意したことになり、オーナーズブックがより幅広い層にもアピールできるようになったという評判も得ています。
投資ができない?
オーナーズブックならではの評判として、思うように投資ができないというものが挙げられます。これは、月10件程度のローンファンドが公開されるなか、そのほとんどがものの数分で募集を締め切ってしまうことを指しての評判です。
この評判を不満ととるか、オーナーズブックの人気の表れとしてポジティブに受け止めるかは人それぞれですが、こうした状況を踏まえ、オーナーズブックでもスマートフォンアプリを用意したのかもしれません。
OwnersBook(オーナーズブック)のリスク
現時点ではデフォルトの実績がなく、まさに優良企業としてソーシャルレンディング事業を展開しているオーナーズブックですが、今後の動向によっては影響を受ける可能性も否定できません。数少ない懸念事項を念のために紹介しておきましょう。
不動産市況リスク
オーナーズブックの事業は、不動産に特化したソーシャルレンディングであるのが特徴です。つまり、現在は安定的に上昇傾向で推移している不動産市況の動向に、大きな影響を受ける可能性があります。
不動産価格が下落に転じた場合、ボロワーの破綻などの実質的な影響が考えられるほかにも、担保としての不動産価格も下落するため、債権の回収が困難になる、回収に時間がかかるなどの弊害も考えられるでしょう。
オーナーズブックがおすすめのソーシャルレンディング事業者であることには変わりありませんが、分散投資などのリスク回避策も講じておくべきです。特に東京オリンピック前後の市場動向には要注意です。
OwnersBook(オーナーズブック)の口コミ
最後に、投資家であるレンダーを含めたオーナーズブックの口コミを紹介しておきましょう。
- 投資家からの手数料を中心に考えていないところが信用できる
- 上場企業だけに財務状況が順調で信頼できる
- 専門性の高さが評価できる
- 不動産担保があるのが安心できる
- すべてアプリで完結できるのがいい
- 募集から10分後には締め切られてしまった。投資ができない
口コミは、おおむねポジティブな声に占められているといえるでしょう。ただし、上述したように、ローンファンドがすぐに締め切られてしまって投資できないという声もあり、不満点はその辺りに集中しているようです。
まとめ
オーナーズブックでは、ソーシャルレンディング初心者に向けたセミナーなども積極的に開催しており、まさに初心者にもおすすめできる事業者であるといえるでしょう。リスクを取ってもハイリターンを得体という投資家に向け、エクイティ型の提供を開始したのもほかにはない特徴です。
一方、本文でも解説したように、今後の不動産市況に左右されがちなビジネスモデルをオーナーズブックが持っているのも事実です。ソーシャルレンディングの基本、注意ポイントに立ち返り、分散投資を含めて利用するのが、オーナーズブックの賢い利用方法だといえるでしょう。