利回りが高く、ほったらかし投資ができて、初心者でも始めやすいソーシャルレンディング投資。
不労所得だと言われていますが、本当にソーシャルレンディング投資で不労所得が得られるのでしょうか?
そこでこの記事では、
- ソーシャルレンディング投資に要する時間
- 毎月数万円の不労所得を得るに必要な資金はいくらか
についてくわしく紹介します。
不労所得とは、働かなくても得られる収入
まず不労所得とは、「労働しなくても得られる収入」のことです。不動産の家賃収入や株の配当金などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、これらの収入はだれでも得られるわけではなく、知識や経験が必要です。
一方、ソーシャルレンディング投資は知識があまり必要なく、株やFXのような相場の値動きもないため初心者でも始めやすい投資方法です。一度案件を選んで投資したらその後は何もすることがないのでほったらかし投資が可能です。
しかし、それまでに時間がかかるなら不労所得とは言えませんよね。投資に要する時間から、「ソーシャルレンディングは本当に不労所得なのか」について見ていきましょう。
ソーシャルレンディング投資に要する時間
ソーシャルレンディングで投資する場合、流れは次のようになります。
- 事業者選び
- 投資家登録&口座開設
- 入金
- 案件選び
- 満期になるまで待つ
それぞれの作業にかかる時間を見ていきましょう。
事業者選び
まずは、ソーシャルレンディング事業者を選びましょう。事業者によって特徴や平均利回りが異なります。
事業者は20社以上あるので初心者の場合はすこし時間がかかるかもしれませんが、以下の事業者は初心者におすすめなのでこの中から選ぶのもいいですよ。
- SBIソーシャルレンディング
- Funds
- OwnersBook
- クラウドバンク
SBIソーシャルレンディングは金融大手SBIホールディングスのグループ会社が運営しているため、信頼性が高く、ソーシャルレンディング事業者の中では最大手です。
Fundsは参加できるのが上場企業グループだけと限定しており、ファンド組成企業と融資を受ける企業が同じ企業グループに属していることが条件なので、貸し倒れのリスクがかなり低くなっています。
OwnersBookは上場企業ロードスターキャピタル社が運営しており、全案件に担保をつけることでリスクを減らしています。
クラウドバンクは日本クラウド証券が運営しており、融資金額を上回る評価額の担保等を全案件に設定しているので、2019年6月時点で融資元本回収率100%と元本割れしていません。
投資家登録&口座開設
事業者を決めたら、次は投資家登録と口座開設を行います。これらが完了していないと、案件に投資することはできません。
まずは、事業者のサイトで「新規登録」や「口座開設」から
- ログインID
- パスワード
- メールアドレス
などを登録します。
その後、登録したメールアドレス宛てに事業者からメールが届くので、そのメールに記載されたリンクから登録申請フォームにアクセスし、氏名・住所・勤務先・口座情報などの個人情報を入力します。
その後、必要書類の画像データをアップロードします。
必要書類とは、
- マイナンバー確認書類
- 本人確認書類
などです。
ここまでは10分もあれば終わります。
その後審査があり、審査に通ると事業者から本人確認のための書類が郵送されてきます。郵送されてくるので約5営業日は待つ必要がありますが、待つだけなので労力は要りません。
事業者によって本人確認の方法は違いますが、本人確認用の番号が記載された書類が郵送されてくる場合は、書類を受け取り後マイページにログインして番号を入力すると本人確認は完了です。
簡易書留や本人限定受け取り郵便で送られてくる場合は、受け取ると本人確認が済んだことになります。
本人確認ができれば、投資家登録と口座の開設は完了です。実際の作業に要する時間は10分くらいですね。
入金
投資家登録が完了すると希望する案件に投資できるようになりますが、その前に投資口座に入金しておく必要があります。
投資口座に入金する際は入金手数料がかかります。手数料の金額は、利用している金融機関によって異なります。
事業者と提携している金融機関の口座か、他行宛ての振り込み手数料が無料になるサービスがついているネット銀行を利用すれば、入金手数料を無料にすることができますよ。
入金は銀行振り込みになりますが、ネット上で手続きできるので要する時間は5分くらいです。
案件選び
そして、最後に案件を選んで投資します。
ソーシャルレンディングは投資なので、もちろんリスクがあります。貸し倒れ(デフォルト)が起きると最悪の場合元本の大半は戻ってこないので、案件を選ぶ際は公開されている情報をよく読んでから投資しましょう。
リスクを確認する際には、以下のような点もチェックしてくださいね。
- 担保の有無
- 融資金額に対して担保の評価額はどの程度か
- 担保の抵当権は第一順位か
- 融資先企業の名前は公開されているか
- 融資先企業の業績
- 融資先の国の状況
- 運用期間は長すぎないか
融資金額を担保の評価額が上回っている場合は、万が一貸し倒れが起きても評価した通りの価格で担保を売却することができれば、融資金額を回収できます。ただし、担保の評価額は募集時点のものなので、売却時には価値が下がっている可能性もあります。
また、担保で抵当権が第一順位または第二順位と書かれている案件がありますが、もし担保を売却した場合、売却金額からお金を回収できるのはまず抵当権第一順位からです。第一順位が債権を全額回収し終わったあとに第二順位が回収するので、場合によっては債権を回収できない可能性があります。第一順位の案件の方がローリスクです。
分からない用語なども出てきますが、案件を分析しているブログなどをいくつか見るとある程度情報を把握できるでしょう。案件選びにどれくらい時間をかけるかは個人差がありますが、数時間もあれば投資するかしないかの判断はつくと思います。
満期になるまで待つ
案件を選んで投資したら、あとは満期になるまで待つだけです。投資後は何もしなくても毎月分配金が振り込まれるようになります(OwnersBookのように、分配金が毎月ではない事業者もあります)。
投資家登録&口座開設ですこし時間はかかりますが、いったん開設してしまえばあとは入金して案件を選ぶだけです。
案件は慎重に選ぶ必要がありますが、投資後は何もしなくてもお金が振り込まれるので不労所得と言えますね。
不労所得の目標金額から必要な投資金額を逆算できる
ソーシャルレンディング投資では、投資金額と利回りに応じた分配金が得られます。「毎月これくらいはほしい」という不労所得の目標金額が決まっているなら、必要な利回りや投資金額を逆算できます。
ソーシャルレンディングの平均的な利回りは5~6%なので、たとえば以下の条件の案件に投資するとします。
- 利回り 6%
- 運用期間 12か月
この案件に10万円を投資すると、1年間で得られる分配金は6,000円です。
10万円×6%=6,000円
そして1か月あたりの分配金は次のようになります。
6,000円÷12=500円
分離課税20.42%が源泉徴収されてから投資家に分配されることを考慮すると、
500円ー(500円×20.42%)=398円(小数点以下切り上げ)
となり、1か月の分配金は398円になります。
毎月1万円の不労所得を目指すなら、
1万円÷398円=25(小数点以下切り上げ)
となるので、25個の案件に10万円ずつ投資する必要があります。つまり必要な投資金額は250万円です。
では月5万円の不労所得を得るには、ソーシャルレンディングでいくら投資すればいいのでしょうか?
5万円÷398円=126(小数点以下切り上げ)
つまり、必要な資金は1,260万円です。
ここまでは利回りが6%の案件の場合でしたが、利回りが高い案件を選ぶと必要な資金を減らせます。
たとえば、以下の案件に10万円を投資するとします。
- 利回り8%
- 運用期間 12か月
年間の分配金は8,000円なので、月々667円(小数点以下切り上げ)です。分離課税20.42%を考慮すると、月々の不労所得は531円(小数点以下切り上げ)になります。
そのため月1万円の不労所得なら必要な投資金額は190万円、月5万円の不労所得なら940万円です。
利回りが6%と8%の場合、月1~5万円の不労所得を得るために必要な投資金額は以下のようになります。
月々の不労所得の金額 | 利回り6% | 利回り8% |
---|---|---|
1万円 | 250万円 | 190万円 |
2万円 | 500万円 | 380万円 |
3万円 | 750万円 | 560万円 |
4万円 | 1,010万円 | 750万円 |
5万円 | 1,260万円 | 940万円 |
ソーシャルレンディング投資で得た分配金を再投資していけば、必要な投資金額をさらに減らすことができますよ。
利回りが高いと分配金も増えるので魅力的ですが、リスクも高くなるので案件選びには注意してくださいね。
まとめ
ソーシャルレンディング投資では案件選びに一番時間がかかると思いますが、一度投資すれば後は何もする必要がなく、毎月分配金を受け取るだけなので不労所得と言えますね。
毎月不労所得としてほしい金額が決まっているなら、逆算して必要な投資金額を計算してみると、将来の投資計画が立てやすいですよ。毎月数万円の不労所得を得ることも十分可能です。
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