ソーシャルレンディング

【移行済】ジョージア経済の今とインパクト投資を学ぼう!

【セミナー概要】
セミナー名:「社会的インパクト投資で資産運用!」セミナー
開催日:2020年5月5日(木)15:00~16:30
主催者:ネクストシフト株式会社

登壇者:
ネクストシフト株式会社 代表取締役社長CEO 伊藤 慎佐仁氏
LLC MFO Credex社CEO Zurab Akhalaia氏

セミナー内容

  • ネクストシフト株式会社について
  • インパクト投資について
  • 伊藤 慎佐仁氏×LLC MFO Credex社(以下Credex社)CEO Zurab Akhalaia氏との対談

【主催者について】
主催者は、Nextshift Fundというソーシャルレンディングサイトを運営している、ネクストシフト株式会社です。

ネクストシフト株式会社は、「インパクト投資」専門会社として同社代表取締役社長CEOである伊藤 慎佐仁氏の出身地である鳥取県を本社に置いています。株主には鳥取銀行や山陰放送など地元の大企業が揃っています。

また、ネクストシフト株式会社の事業については、日経CNBCや日本経済新聞、フォーブスジャパンや東京マーケットワイドなど経済系のメディアに多数掲載されており、今非常に注目を浴びています。

そして、伊藤 慎佐仁氏の経歴はというと・・・

上記画像の通り、現(株)三菱UFJ銀行に入行後、SBIホールディングスやワイジェイFX(株)などで重役と勤めるなどまさに金融のプロフェッショナル。そんな伊藤 慎佐仁氏が創業したネクストシフト株式会社ですから、その事業に注目が集まるのは自然のように思えます。

【セミナーを受ける前の印象】
今回のセミナーは、インパクト投資やネクストシフト株式会社が提供する「ジョージア中小企業応援ファンド」に関連して、ジョージア経済の現在を学ぶ内容でした。

まずこのセミナーを受講するにあたり、セミナー内容を軽く読んだときの私の印象としては・・・

  • どのような内容のセミナーなのか予想が付かない・・・。
  • インパクト投資とは何だろう?
  • ジョージアの経済ってどうなのだろう(観光が盛んなイメージはあるが・・・)?

と、一言で言うと「事前知識がないため、難しそう」という状態でした。

私は証券会社勤務経験があり、現在個人投資家でもありますが、ジョージア経済については正直ほとんど知識がなく、またインパクト投資も「単語は聞いたことがある」というレベル。

「このままではセミナーで何も得られない!」と、セミナー受講までは自分なりにインパクト投資やジョージア経済について調べ、受講に臨みました。

結果、セミナー後は、投資の意味を再確認させられ、またジョージア経済について深い理解を得ることができました。今回はセミナーレポートを通じて、私が感じたことをお伝えできればと思います。

セミナーでは伊藤 慎佐仁氏と、ネクストシフトファンドの融資先であるマイクロファイナンス機関であるCredex社CEO Zurab Akhalaia氏との対談も行われましたので、その内容もまとめています。

【インパクト投資とは】
まず聞き慣れない方もいるかもしれませんので、セミナーでも触れられたインパクト投資について解説をします。

インパクト投資とは、「投資リターンを狙いつつ、同時に社会課題解決を目指す投資」のこと。と言っても具体的なイメージが付きませんよね。それでは仕組みを見て、より理解を深めてみましょう。

上記画像が、インパクト投資の仕組みです。

投資家が出資(投資)した資金は、ネクストシフト株式会社が組成したネクストシフトファンドとマイクロファイナンス機関という金融機関を通じて、農家や中小企業などに融資されます。

そして、農家や中小企業が返済したお金が、マイクロファイナンス機関とネクストシフトファンドを通じて、「元本+分配金」として投資家へと戻ってくる、という流れです。

ポイントは農家や中小企業への「融資」である点。融資なので、融資先が返済してくれれば出資金・分配金は戻ってきます。そこが株式投資などの金融商品とは違う点ですね。株式投資は買った株式の上下がそのまま資産の増減に影響しますが、インパクト投資は融資先の返済がポイントなので、株式投資よりもリスクは低いです。

さらに目標利回りは4.5%~7.7%(税引前)。株式保有時に貰える配当金の利回りが東証一部上場企業で2.4%(2020年3月時点)ですから、株を持っているよりも利回りが良いですね。

それでは、この仕組みでなぜ社会貢献ができるのでしょうか?

マイクロファイナンス機関について理解をするとその答えが分かります。

マイクロファイナンス機関をご存知ですか?私はこのセミナーを通して初めて知りました。

マイクロファイナンス機関とは、今まで銀行の融資を受けられなかった層へ小口の融資を行う金融機関のこと。今回セミナーに登壇したAkhalaia氏のCredex社もジョージアのマイクロファイナンス機関です。

マイクロファイナンス機関の融資先として例えば、農家があります。

  • 本当は仕事を効率化させる機械(農機具など)が欲しい。
  • しかし、返済実績がなかったり、担保がなかったりという理由からお金を借りられない。
  • 非効率な農業に従事するしかなく、不安定な生計から抜け出すことができない。

という農家へ、マイクロファイナンス機関は事業拡大(農機具購入)の資金として、小口融資をし、農家の生活レベルを向上させています。

その他、マイクロファイナンス機関の融資は、小売店やクリーニング、美容室といったサービス業の開業資金として活用してもらっています。

このようにマイクロファイナンス機関は、貧困を抜け出し、生計を向上させるために融資を行っており、インパクト投資は、その融資の原資となっているのです。

ですが、セミナー内でインパクト投資の融資先を聞いた私は「返済実績もなく、担保もない層に貸して本当に返済されるの?」という素朴な疑問を持ちました・・・。返済されなければ投資家は損をしてしまいます。ということで、ネクストシフト株式会社の実績を見てみたところ・・・


出典:ネクストシフトファンド公式サイト

回収率は100%、つまり今まで融資したお金は全て返済されていました。回収率100%の企業は、大手であってもそうないです。ネクストシフト株式会社の融資先の目利き力は確かなようですね。

今までの私の投資のイメージはというと、「投資先が自分の投資したお金をどう使おうが、それは二の次。自分のお金を増やせるかどうかが1番の関心事」でした。

しかし、インパクト投資は、「投資を通じて、自分のお金が誰かの課題を直接的に解決している」という実感が得られ、自分のお金が増えるかどうかに加え「投資先の為になっているか」「どんな人が自分の投資資金を使っているのだろう?」という投資先の物語までも想像することができる投資なのだと思いました。

投資先の役に立つために出資をする・・・その想いが本来の投資の形ですよね。インパクト投資は、その本来の投資を実現する投資手法なのだと思います。

【ジョージア中小企業応援ファンドについて】
さて、今セミナーではネクストシフト株式会社が提供する「ジョージア中小企業応援ファンド」に関連して、ジョージアの経済の現況について対談がありました。ここでは「ジョージア中小企業応援ファンド」について少し触れておきます。

出典:ネクストシフトファンド公式サイト

現在は成立済のため募集はしていませんが、「ジョージア中小企業応援ファンド」は現在4号まである人気の商品の1つ。今まで融資を受けられなかったジョージアの農家や中小企業(飲食店、小売店、美容室など)に融資をしています。

セミナーに登壇したAkhalaia氏のCredex社は下記画像赤枠に位置し、農家や中小企業へ小口融資を行っています。

出典:ネクストシフトファンド公式サイト

目標利回りは7.7%なので、100万円を投資し、仮に為替が変わらなかった場合、運用期間16ヶ月後に約110万円になります(分配金約10万円には2万円の源泉徴収税がかかるので、手取りは約108万円)。

利回り7.7%というと、やはり株式の配当金利回りよりも良い数字ですね。

さて、ここで気になるのがジョージアの経済状況。新型コロナウイルスによる影響はどうなのでしょうか。セミナーの対談では世界的に大きな経済ダメージを与えた新型コロナウイルス感染症によるジョージアへの影響について、ジョージアの経済のプロであるAkhalaia氏が語ってくれました。

【コロナウイルスはジョージア国に与えたダメージと機会】
対談ではまず、Akhalaia氏からジョージア国の新型コロナウイルス感染症対策や現況について、言及がありました。

【ジョージア国の新型コロナウイルス対策と現況】
– 3月時点でジョージアは入国禁止措置を決行し、感染拡大の観点でリスキーな業種を営業停止にした
– 感染者数は600人ほどにとどまっており、致死率は抑えられている
– ダメージを受けている業種は、観光業、飲食業などが中心
– 政府は30億USドルの経済対策を計画中

とのことでした。感染者数などを見ると、全体的に新型コロナウイルス感染症の対策は上手くいっている印象を受けました。

また伊藤 慎佐仁氏が「ジョージア中小企業応援ファンド」の融資先でもある農業セクターへの影響について尋ねたところ、どうやら農業セクターでは新たな動きが出始めたようです。

【新型コロナウイルス感染症による農業セクターへの影響】

Akhalaia氏によれば近隣国が自国の食料品を国内に留めるという判断をしており、その対策として政府は「ジョージア国の農業の育成に努める」という対応に出ている、というのです。

これは新型コロナウイルス感染症の影響をチャンスと捉えている面白い動きですね。

更に新型コロナウイルス感染症の影響により、新たに気付かされたジョージア農業のチャンスがあるようです。

Akhalaia氏によれば、現在、ジョージア国のGDPにおける農業セクターの割合は7.3%。一方観光業は50%。つまり、ジョージア国に観光に来た人は、ジョージア国で他国が作ったものを食べてきた、と見ることができます。今回の事態に際して、「ジョージアへの観光者にジョージアでつくられたものを食べて貰うという機会を見逃していた」ということが分かったそうです。

政府の後押しや、Credex社始めマイクロファイナンス機関の融資も加わり、今後ジョージアの農業はますます発展していきそうですね。


(新型コロナウイルス感染症による影響で、世界中の国々と同様、ジョージア国は今年マイナス成長が予想されます。しかし、ジョージア国は2019年時点でGDP成長率5.1%と高成長を続けていました。今後国内産業の成長を進める姿勢を見せるジョージア国は、再び成長率を伸ばしていくと考えます。)

【新型コロナウイルス感染症による金融セクターの影響】

Akhalaia氏によれば、マイクロファイナンス機関など金融セクターへの影響もあるそうです。

他の国と同様に観光業、飲食業のCredex社の顧客はダメージは受けており、そういった顧客への接点を増やすなどの対策を取っています。(ただし、こうした悪い影響が出ているのはCredex社の顧客のうち約9%にとどまっているそうです)

一方で、パン屋や食に関わる顧客など約8%は新たな資金需要が増しているそう。コロナウイルス感染症の影響=ジョージア経済全てにダメージという訳では無く、却って商売好調になった顧客もいるようです。

また「ジョージア中小企業応援ファンド」を持っていて、投資家から見て最も気にしなくてはいけないリスクが、「Credex社はちゃんと融資を回収できるのかどうか」です。Credex社が融資を回収できない(貸倒れになる)と、それは即ち、「ジョージア中小企業応援ファンド」を持つ投資家にとっても貸倒れを意味し、結果として投資家は損をしてしまいます。

その点については、Credex社は、融資基準の1つに「収入源の多様性」を設け、貸倒れリスクを抑えているようです。Credex社は、「複数の収入源を持っている人、家族単位で見て様々な職種に就いている家族がいる人」に貸付けをし、更に保証人には複数の収入源を持っている人になって貰っているようです。

つまり、例え貸付け先の人物がある1つの職を失ったとしても、他の職種で収入を賄うことができ、また他の職種に就く家族もいれば、保証人も様々な収入源を持っているため、貸倒れリスクが低い、ということですね。

このように貸付け先に多様な収入源を持っている人を選定することにより、貸倒れリスクを抑え、結果として、「ジョージア中小企業応援ファンド」の投資家の貸倒れリスクは抑えられるのです。

【コロナウイルス収束後の動き】
現在、まだ新型コロナウイルス感染症の影響は初期段階なので、Credex社としてはローンポリシー(融資の基本方針)は作成途中だそう。新型コロナウイルス感染症の影響を正確に見極め、特定のセクターに貸し付けを増やし、特定のセクターには貸し出しを中止する、ということも考えているようです。今はとにかく顧客への接点を増やし、情報収集に徹しているとのことです。

【セミナーを受けての感想】
セミナーを受講して、投資の社会的意義を改めて考えさせられました。

投資は、確かに儲かる/儲からないという視点も必要かもしれませんが、「投資先の課題を解決する」という視点をもっと持ち合わせるべきだと思いました。また儲かる/儲からないの観点から見ても、ネクストシフト株式会社のファンドは今まで回収率100%の実績を誇るため、充分利益を狙えるファンドが揃っています。

今回の「ジョージア中小企業応援ファンド」の運用に影響するジョージアの経済現況ですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、ピンチの中にチャンスを見つけ出す、非常に柔軟で力強い経済なのだと認識しました。

今回は「ジョージア中小企業応援ファンド」に関わるジョージア経済についてのセミナーでしたが、ネクストシフト株式会社はモンゴルやカンボジアへのインパクト投資実績があります。是非、投資の社会的意義に興味がある/出てきた人は、ネクストシフト株式会社のファンドをご覧になってみてはいかがでしょうか。

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